観た人全員から「この映画を観てないなんて人として如何なものか」と苦言を呈されることが多くなってきたので、それならばと観てきた。
QUEENに関しては、フレディ・マーキュリーのルックス、"We Are the Champions"、"We Will Rock You"なんかの代表曲を知っているくらいで、昔めちゃくちゃ流行った伝説的なバンド、くらいの知識しか持ち合わせていなかったけれど、楽しめたし、観てよかったなと思った。
QUEEN結成から、フレディ生前最後のライブである"Live AID"までの伝記映画。史実と異なる部分もあるみたいだけど、QUEENのメンバーが監修に加わっているため、実際に近い内容になっているよう。
もともとギターのブライアン・メイとドラムのロジャー・テイラーが組んでいたバンドにフレディが加わって、瞬く間に(映画だと瞬く間に、としか言いようがないスムーズさで)超人気バンドになっていく。
なので前半は天才のサクセスストーリーを観ているような感じ。でも実際の音源を使っている演奏シーンがかっこよいのと、彼らは自分たちの過去のヒット曲の手法に安住せず、常に新しい手法を取り入れ、しつこく妥協なく曲を作っている様子が描かれていて、ワクワクしながら観ていた。
後半は、世界的なバンドになって世間から注目されるようになり、ドラッグやセクシャルマイノリティへのバッシングやクズな取り巻きによってバンドの解散危機になったり、フレディの深い孤独が描かれ、前半の天才的エンターテイナーの面とは反対の、かっこ悪い人間としての面が描かれる。
(しかしまぁ取り巻きのやつのクズさといったらなかった。あまり明らかにしてはいないようなのだけど、実在した人物らしく驚いた。)
そして、フレディ死去の原因になったエイズに感染したことは公には明らかにしていなかった。最後のライブ"Live AID"の前にメンバーにだけフレディから話すのだけど、そこでのフレディが最高にかっこいい。
同情なんかするな、俺はエイズに感染した悲劇のヒーローでいるつもりは全くない。"I decide who I am."
ここがストーリーでいうとクライマックスだったと思う。酒やドラッグに逃げ、孤独から自分たちのことしか考えていない取り巻きが周りにいることに安心し、自分を見失っていたフレディの決意が表れる。
そして映画のクライマックス”Live AID”。これがもうめちゃくちゃにかっこいい。ここまで寝ずに映画を観てきていたら、感動無しには観られない。
観客とのコールアンドレスポンスは鳥肌ものだし、何より”We Are the Champions”がこんなにいい歌だったとは知らなかった。
QUEENを知らない人でも楽しめるいい映画でした。
2019年1月4日金曜日
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