著者の松浦弥太郎さんは、「暮らしの手帖」編集長で、うちの奥さんが好きで著作を何冊か持っている。そのうち勧められたのが「考え方のコツ」だった。
文庫が2014年11月30日に第1刷が出て、2017年6月30日時点で11刷だから長いこと売れてる。
思考術・想像術・コミュニケーション術・時間管理術・グローバル術の5項目に分けて、松浦さんの仕事術を説明する内容になっている。
とっても良いことが書いてあるな、私も実践したいな、と思うことがたくさんあったので、記録しておく。
<思考術>
・p16「1日2回思考の時間を確保する」
文庫が2014年11月30日に第1刷が出て、2017年6月30日時点で11刷だから長いこと売れてる。
思考術・想像術・コミュニケーション術・時間管理術・グローバル術の5項目に分けて、松浦さんの仕事術を説明する内容になっている。
とっても良いことが書いてあるな、私も実践したいな、と思うことがたくさんあったので、記録しておく。
<思考術>
・p16「1日2回思考の時間を確保する」
アイデアや発想は天啓のように突然降ってくるものではなくて、考えて考え抜いた結果出てくる。じゃあ、考え抜くためにはどうしたら良いか。それは考える時間を取ることだ、というシンプルな帰結。
以前読んだ、ちきりんさん著の「自分の頭で考えよう」の中でも、「考える力をつけるには考えることに費やす時間を増やすこと」と書かれていて、共通しているなぁ。
何事も習熟するには時間のエネルギーをかけるしかない。部活とかもそうだったはずなんだけど、「考える」行為ってふわふわしていて、習熟の結果どういう状態になるのかとか、そこに至るまでのステップとかが分かりづらいから、どこかに「ここを押さえておけば「考える」ことができる!」という正解を探しがちだなぁと思った。
○○思考とか○○シンキングとか、考えるためのツールは充実しているけど、それを知っている=考える力があるということではなくて、ツールも知ったうえでとにかく考えるための時間を確保して、試行錯誤することが大事なんだろうなと思う。
自分の生活に取り入れるべく、いま読書に充てている夜の1時間を考える時間として確保しようと思う。(当然この時間はTaskchuteCloudにルーチン設定して強制的に確保する。)
<想像術>
・p.68「逆に考えてみる」
アイデアを膨らませる際、思いついた1つの見方に固執せず、真逆の発想に振ってみるというハウツー。たとえば新卒採用だったら、いかに応募学生の母集団数を増やし、ふるいにかけていくかというのが現行の発想なんだとしたら、1対1でとことん話し合ってお互い理解を深め、互いに求め合う状態に持っていく、というのが真逆の発想かな。
真逆に発想して出てくるのは極論かもしれないけど、両極端を結んだ線上で少しずらしていくと、もしかしたら現実的でイケてる発想も出てくるかもしれない。
・p.71「自分の都合よりも相手の幸せを選ぶ」
私たちは簡単に自分の都合だけで仕事を考えるようになるけど、その仕事の届け先の人が幸せになるかどうかを想像して仕事しないとね、という内容。
やりがちだよね。こうした方が説明つく、みたいな自分の都合が内容や体裁に影響を与えること。あまり意識もせずにやっていたけど、確かにその仕事って誰をどうするためにやってるの?って視点は簡単に抜け落ちてしまうなと実感。
ただ、ここで言われていることって「相手の立場になって想像しよう」という、まぁ目新しくもない考え方。でもそれが改めて言われると「あぁ、できていなかったな」となってしまうのは、ぼやっとしていて取っ掛かりが見つけにくく、実践するのが難しいからだと思う。それよりは、その案を説明しないといけない相手だったり、説明の前に通さないといけない上司だったりの方が距離感が近いので、意識がそちらに向かってしまうのだと思う。
「相手の立場になって」からもう少しブレイクダウンして、「相手」が含まれている母集団の中にいる特定の人物まで想像するようにすれば、もう少しやりやすいんじゃないか。
今の私の仕事は人事総務系なので、仕事の届け先は社員になる。社員といっても年齢性別国籍信条価値観さまざまなので、まずは知り合いを想像するのが良いかな。で、その知り合いはたとえば奥さんと二人の小さなこどもがいて、通勤は車で夜勤は少なくて…とかその人の背景がある。じゃあ、違う背景の人はどうかな?と膨らませていくことで、検討すべき要因が浮かんでくるのでは。
このアプローチでいくと、ぼやっと「相手の立場になって」と言われるよりもやりやすいように思う。
p.94「目の前のことにしっかり向き合う」
想像は大事だけど、将来の夢については想像しても仕方がない、だったらその想像力を、今任されている仕事で誰かを幸せにするために集中して使った方が良い、という内容。
この項目が一番インパクトがあった。「夢を描く」とか「将来の目標に向かって日々やることを逆算しよう」とかがこういう場合の主流だと思うんだけど、まったく違う主張をしている。7つの習慣に出てくる「終わりを描くことから始める」とかね。
でもなんだか読んでいて納得感があった。なんでかなーと考えていた中で、この文章がヒントになった。
P.98「社長に限らず、「絶対に、カフェをやるのが私の夢なんです」という人も同じでしょう。カフェという仕事を通して、自分が果たす役割とは何か。そこまで考えると、仕事とは関係ない夢がきっと見えてきます。カフェという仕事は、もしかしたら夢でもなんでもないと気がつくかもしれません。」
夢は、何かに「なる」ことではなく、自分の「在り方」に近いものなんじゃないか。「7つの習慣」にも、「HaveではなくBeにフォーカスする」というようことが書いてあった。「もっと金がほしい」とか「こういう仕事につきたい」というHaveではなく、「もっと誠実である」とか「もっと主体的である」とかの在り方=Beに集中するべき、ということが書かれていた。たとえばカフェをやりたい人だったら、来てくれる人が安心するとか、来る前よりもハッピーになってもらえるとか、実はカフェでなくても実現できることが根源なのかもしれない。
そうであれば、確かにいま自分の仕事ですら、その仕事の届け先の人を幸せにできないなら、何をやろうがその域に到達するのは無理だろうな、と思う。
だから一見「夢を描いてそこから逆算して…」という内容とは逆行するようだけど、実は違うことを言っているわけではないのだと思う。
<グローバル術>
p.179「グローバルに働く」
組織のメンバーとしてではなく、「自分株式会社」が会社だったり、世界のチームと契約する意識を持つべき、という内容。
この内容、先日読んだ箕輪厚介さんのインタビューにも似た内容が載っていた。
「僕はこれからの時代、会社員であっても、いかに自分をブランド化して生き残っていくかが重要だと思っています。」
「断言しますが、これからは「仕事」を「仕事」のようにこなしているサラリーマン的な人間は淘汰される。だって、そんな人の「仕事」には誰もワクワクしないから。」
「とにかく目の前のことに無我夢中になること。その常軌を逸した熱狂ぶりに、自然と人は引き寄せられるんです。」
「会社の中だけで通用する知識スキルを身に付けるんじゃなくて、市場価値を高めよう」みたいな話も目新しくはないのだけど、じゃあどうすんねん、という段になると、引く手数多な専門知識・スキルを身に付けるとか希少な資格を取得するとかかなぁと何となく考えていた。
でも多分それは筋が悪くて、結局任された目の前の仕事で常に成果を出す人、というのがポイントなのだと思う。どの仕事も人が行うことなのだから、扱うものが違ったって成果を出すための姿勢や行動はそんなに変わらないんじゃないかという気がする。
であれば、自分の仕事に不満を言う前に、時間とエネルギーを投入して、成果を出すことに集中し続けることが結局は最短距離なんじゃないかと思う。
なんとなく仕事がつまらないな、と思うこともあったので、姿勢を正すきっかけになる本だった。

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