2018年12月6日木曜日

作家の文章

一時期、糸井さんの文章が好きで、「ほぼ日刊イトイ新聞」や本もいくつか買って読んでいた時期があった。

糸井さんみたいに色んなことに興味を持って、人の話をしっかり聞いて引き出すことができる人は素敵だなぁと思っていた。

ほぼ日で「こんな世界があるんだなー」と知ったことの一つにフードスタイリストという職業がある。

映画やドラマ、雑誌などで出てくる料理やテーブルセッティングを手がける職業で、ほぼ日のコンテンツには飯島奈美さんがよく出てくる。

飯島さんは色んな映画、ドラマの料理を手がけていて、観たときに「美味そう!」と思っていた「南極料理人」「深夜食堂」といった作品の仕事をしていたので、ほぼ日で飯島さんが出てくる記事はよく読んでいた。

南極料理人、深夜食堂で主演の堺雅人さん、小林薫さんと糸井さんが飯島さんの料理を食べながらそれぞれの作品の話をする対談記事が面白かった。

堺雅人さんと、満腹ご飯。
小林薫さんと、居酒屋ご飯。

その飯島さんはほぼ日から本を何冊か出していて、1冊目の「LIFE なんでもない日、おめでとう!のごはん。」は家にある。

LIFE なんでもない日、おめでとう!のごはん。




















レシピ集になっていて、ハンバーグやおにぎり、ロールキャベツに生姜焼きといったオーソドックスなおかずなんだけど、下処理とか調理にちょっと手間をかける部分があって愛情を感じるおかずが多い。

合間に、掲載されているおかずをテーマに作家が書き下ろしたコラムがある。

谷川俊太郎さんがホットケーキ、よしもとばななさんがカレー、重松清さんがロールキャベツ、糸井さんがおはぎをそれぞれ担当。

これがみんな名文で良いんだけど、最近読み返していたら重松さんのコラムがとってもよかった。

少年時代、ロールキャベツをお母さんが作るときに妹と一緒に手伝いをしたこと。

昔は吃音に悩まされていて苦い思い出が多いけど、ロールキャベツ作りの手伝いをしてお母さんに褒められたり、感謝されたりしたのが嬉しかったこと。

そうしてできたロールキャベツはとっても美味しかったこと。

大人になった今、実家には年に1回も帰らなくなったけど、帰るたびにお母さんはロールキャベツを作って待っていてくれること。

昔より小さくなった手で作る小さいロールキャベツを、お母さんが喜ぶから何個も何個もおかわりすること。

2〜3ページくらいの長くもないコラムで、重松さん本人の感情が直接表現されているわけでもないのに、無性に泣けてきて、作家ってすげぇなぁと改めて感じた。

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