M-1といえばマヂカルラブリーのやべーやつ

２０１８年のM-1は「霜降り明星」が最年少優勝で、「和牛」が３年連続２位という結果に終わったけど今年も笑った。

今年は「トム・ブラウン」が「サザエさんの中島を５人集めてナカジマックスを作る」という不条理系漫才を披露して（書いてて頭がおかしくなりそう）いたが、同じ系統で２０１７年に衝撃的だったのが「野田ミュージカル」を披露した「マヂカルラブリー」だった。

ボケの野田さんがツッコミの村上さんに「今日ここで野田ミュージカルが開演するんだけど観てく？」との入りで、野田さんがミュージカルっぽい（？）トリッキーな動きをするんだけどそいつらは演者じゃなくて全員ミュージカルを観に来た客で、最後までミュージカルは始まらないというネタ。

去年生で観ていたけど控えめに言ってもダダ滑っていて、M-1名物「ネタ途中に抜かれる審査員の顔」も引きつり笑いで、「こりゃやべーわ」と感じたものだった。

結果、M-1決勝史上最低得点を叩き出し、審査員の上沼恵美子さんから「みんな本気で挑んでる、審査員も本気だから高得点なんてつけられない」と辛辣なコメントをもらってしまう。

それに対しマヂカルラブリーの二人は「僕らも本気やっちゅうねん」と返すがこれが火に油を注ぎ、上沼さんがブチ切れて「本気でやってるって言ってるやろ」「よう決勝残れたな」「嫌いです」と散々言われてしまう。（本気のブチギレか、そういう芸なのかは芸人さんいによって意見が分かれているそう）

なかなか緊張感のある空気になってしまい、最後言い残すことは？との問いかけに野田さんがワイシャツとネクタイを脱いで上裸になったところを司会の今田さんにカメラから遮られて退場、という軽く放送事故では？となる内容だった。

この人たちやべーやつだな、とは思ったのだけど逆にそれで気になってしまって、他のネタを探して見ているとこれが面白くてハマってしまったのと、特にやべーやつだと思っていた野田さんが普通に喋れると知った衝撃と、二人のトークがおもしろいことに衝撃を受けて、炎上商法に乗せられたような形になっている。

そしてそのM-1のときの裏話をしている動画を見つけて、これもまた面白かった。

動画：「マヂカル野田が語る『M-1裸事件』の真相」

何より素晴らしいのが二人が一切他人のせいにしないで、トラウマものの出来事を笑えるトークテーマにしているところ。

M-1から芸風を変えていないし、悪いことも自分たちの芸の肥やしにして「自分たちが良くなる」ことにエネルギーを向ける姿勢がすごくいいな、売れてほしいな、俺は応援し続けるよ、俺も頑張るよ、となんだか背筋が伸びるような妙な気分だった。